核融合周辺プラズマ領域における高Z不純物の輸送

担当:釜田 慎也

核融合炉ではプラズマ状態の燃料を高温、高密度で閉じ込める必要があります。これを下図のような磁場を用いて行う装置をトカマク型核融合装置と呼びます。

このうち、磁場が閉じている領域をコア領域、磁場が開いている領域をSOL領域と呼びます。燃料プラズマの多くはコア領域に閉じ込められているのですが、 漏れ出た一部の燃料プラズマはSOL領域内を輸送され、ダイバータ板より不純物をはじき出します。すると今度は、この不純物がSOL領域内を輸送し、コア領域に侵入することで燃料プラズマを冷やし核融合を止めてしまう恐れがあります。そのため、SOL領域での不純物の輸送を解析することはトカマク型核融合炉の定常運転を実現する上で重要です。

その中でも近年ダイバータ板へはタングステンが用いることが有力視されており、私はそのような高Z不純物がSOL領域内をどのように輸送されるかについて研究をしています。

核融合炉の断面